瓦屋根をおすすめする10の大きな理由

 

其の⑥ 断熱性

 

 

瓦は他の屋根材と比べて非常に小さい熱伝導率を誇ります。


最近よく見られるガルバリウム鋼板、その熱伝導率は実に瓦の153倍!

管理人の一言メモ



瓦は土から出来ています。実はあまり知られていないように思います。上の写真の採掘場は私たちの取引先の淡路島の写真ですが、一昔前までは私たちが住んでいる三豊市や丸亀市から土を取っていることもありました。この土を加工→乾燥→焼成という行程を経て瓦が出来上がります。















上の2枚の写真は、以前私が瓦粘土から簡単な小物を作ったときのものです。小物作りは子供たちと一緒に作業したこともあります。親である私としては子供たちが“土”に触れるいい機会だったと思っています。






  



HP管理者です。

私の詳細は→ ☆☆☆

其の①  耐水性・通水性

 


瓦(いぶし瓦・陶器瓦)は耐水性に優れています。瓦の中でも特に和瓦はなだらかな曲線を描いたような形状になっているので、雨水が集まりやすく、早く軒先へ水を流すことが出来る構造になっています。

其の② 耐火性

 


  土が炎に包まれて瓦という素材が出来上がります。

  耐火性になんの問題もありません。

管理人の一言メモ


写真は実験的に上部よりシャワーで水を流しています。和瓦の水は基本的に曲線の底を通るように出来ています。なかなか考えられているでしょ。この形を考えたのが“西村半兵衛”という人です。時代は1674年(江戸時代前期)です。ここから日本独自の“和瓦”文化が始まった訳です。

管理人の一言メモ



採掘場で取って来た土を様々な行程を経て、

この焼成という作業に入ります。


この焼成作業は実際にみることも出来ます。


   コチラをご覧ください → 

其の③ 耐震性

 


  現在の工法(引っ掛け桟工法)は震度7クラスの地震でも

  問題ないというデータが出ています。

実験内容: 


日本瓦・平板瓦の屋根を震度7クラス(阪神淡路大震災実波形、東海地震予想形)で振動実験を行った。予備振動を含めて耐震実験は8回実施。


参考: 実験に用いた地震波の振り幅は阪神淡路大震災震波、想定東海地震波の1.5倍である。これは地震が発生した場合に2階建て住宅の瓦屋根の振動は地上の1.5倍に増幅されるためである。

  実験結果: 


各振ごとに目視により試験架台の状態を確認した結果、


   瓦の脱落、ズレ、浮き上がり等は

               一切確認されなかった。

管理人の一言メモ



重い屋根は地震に弱いから駄目だ!」なんて言葉を聞いたことがありませんか?

でも結論から言うと


屋根の重さによって耐震性が左右されることはありません!


地震による家屋への主な被害発生要因は


①軟弱な地盤  (地震動が増幅されやすくさらには液状化、沈降などにより地震被害が拡大)


②構造の強度不足 (古い建物の建物重量に対する必要壁料量が少ないこと)


③家屋の形状・バランスの悪さ (耐震設計を無視した設計や闇雲な増改築)


などが上げられます。


さらに40年以上の建物は瓦は桟木に引っ掛けたり、釘でしっかり留めたりはしていませんでした。しかし今の藤安瓦はしっかりガイドライン工法を学びさらに施主様に安心を提供する努力をし続けています。

其の④ 遮音性

 

   雨の音や風の音が気になりません。


               

吸音率試験は音を吸収する割合を測るもので、 特に屋根に必要とされている雨音等に対する性能として重要な要素となります。

結果は人間の耳で感度の高い1600Hzで瓦は0.58という高い吸音率を示し、優れた遮音効果が確認されました。


管理人の一言メモ



遮音性に関しては私は身をもって体験しております。私が住んでいるところは構造上一部波トタンがあります。その部分は勾配もあまりとれていないせいか、雨が降ると激しく音が出ます。テレビの音量も上げなくてはいけないほどです。やはり一般住宅の屋根は遮音性に優れる瓦屋根を選ぶことと、ある程度の屋根勾配が必要であると感じます。

其の⑤ 耐久性

 


   高い対候性能に加え、酸・アルカリ性に対する実験でも

          優れた耐久性が証明されています

【酸・アルカリ溶液実験】


耐酸試験では、試料を0.3%塩酸溶液に48時間浸漬した後、質量を測定。

耐アルカリ試験では、試料を0.4%水酸化ナトリウム溶液に48時間浸漬した後、質量減少を測定しました。


【試験結果】


   耐酸試験質量減少率       0.07%

   耐アルカリ試験質量減少率    0.08%


耐酸・耐アルカリにおいても質量減少は極めて小さく、釉薬およびいぶし瓦の表面の退色、変色もほとんど認められませんでした。 


管理人の一言メモ




この耐久性実験結果は淡路瓦工業組合の資料を参考にさせていただきました。が、酸が何%やアルカリが何%とここで書いていても耐久性についてはイマイチよくわからないと思います(書いた本人が完璧な理解が出来ていません…)


そこで簡単に屋根屋(管理人)の思う屋根の耐久性の条件について説明したいと思います。

 

それは

   屋根に関してはある程度勾配がある方がいい


ということです。瓦屋根に関してはある程度勾配がないと施行出来ないため、この問題はほぼないと思ってもらって大丈夫だと思います。気をつけておきたいのは勾配の緩い屋根です。

屋根勾配が緩いと、そこに風で巻き上げられた土や木の葉などが溜まってしまう可能性があります。この写真がまさにその通りだと思います。そしてその腐食スピードは一般的にガルバリウム鋼板が劣化していく早さの10倍以上! 仮に一般的な耐久期間が40年だとしても…。


やはり緩い勾配の屋根には定期的なメンテナンス(掃除等)が必要だと感じます。

話が少し横道にそれたような気がしますが、もう一つだけ書いておきます。


耐酸性については


ガルバリウム鋼板よりも瓦の方がおよそ7倍優れた能力を持っています。

左の写真はガルバリウム鋼板屋根の腐食状態です。施行してから20年の状態です。茶色の部分が錆が発生している箇所です。

管理人の一言メモ


瓦屋根とガルバリウム鋼板屋根の快適性の違いを次の其の⑦も含めてご説明いたします。

次の項目をご覧ください。

其の⑦ 通気性

 

  瓦は屋根全体で通気・換気が出来ます。(結露も防ぎます)

瓦は曲線を描いたような形になっているので、野地板との間には隙間が出来る構造になっています。また、すべての瓦がくっついているわけではなく一枚一枚が組み合わせたようになっています。こうなっているために、換気と通気が可能となり室内の快適性につながります。

屋根面すべてで換気が出来ます。

管理人の一言メモ



この断熱性・通気性(換気性)の二つで瓦屋根は優れた性能を発揮します。他の屋根材とどれほど快適さに差があるのかは下の図を参考にしてください。

外気温36℃時

このデータから分かるように真夏の屋根裏温度は同条件において瓦屋根と他の屋根材を比べると


なんと10℃以上の差が出ることがあるのです。




いかがでしょうか?この7つの要素で瓦の持つ本来の機能美を理解いただけたでしょうか?


   以上が私が瓦屋根をおすすめする瓦の快適性能です。




日本瓦         平板瓦         化粧スレート      ガルバリウム鋼板

其の⑧ 経済性

 

 瓦屋根(いぶし瓦・陶器瓦)はイニシャルコスト(初期費用)は他の屋根材と比べると高くなってしまいます。しかし、10年後、20年後、30年後のメンテナンスコスト(修繕費用)まで考えるとトータルでは経済的になります。また、断熱・通気性に優れることから室内を快適にする手助けをしてくれます。その結果、冷暖房費節約となり省エネルギーにもつながります。

イニシャルコスト

(初期費用)

   ↓


ランニングコスト

(冷暖房費等)

   ↓


メンテナンスコスト

(修繕費用)

瓦屋根は他の屋根材と比べて

高い



低い



無し

其の⑨ 環境性

 

      

 瓦は“”から出来た無添加天然素材なんです。

瓦の採掘場

瓦の土

其の⑩ 美観性

      

      

管理人の一言メモ



この項目は完全に管理人である私の主観が入ります。

私が瓦を好きな理由は今まで上げてきた瓦の機能美や環境性などももちろんありますが、


一番は


          瓦屋根が綺麗だからです。


瓦屋根はその独特の形状により多様な見え方をするのです。

















     春夏秋冬、朝昼夜、晴雨曇り…。瓦屋根はどんなときも魅せてくれます。 


 

 そして

















 

 すべてのモノは新しいままではいられません。瓦も例外なく古くなっていきます。しかし瓦は経年変化により“古美て”いきます。私はこの古く美しくなる瓦が大好きです。












                


                


                  古い瓦が好きな私は会社にたくさん置いてあります。







以前は私は瓦葺きという仕事に対してただ“家を完成させる”という作業をしてきました。しかしより深く屋根のことを考えるとそこには“日本の原風景”がありました。


   


   山があり、谷がある。雨が降って川ができる。


     地球は呼吸し、それは未来につながっていく…。



家だけでなく、周りの風景や自然、町並みを観ることができるようになった今、私はいろんなものを守りたいと思います。


守りたいのは         


           人  日本  地球です。

  

以上、私が瓦をおすすめする10の理由でした。

人に優しく 日本に優しく 地球に優しい


そんな家の屋根は瓦屋根だと私は信じています。

管理人の一言メモ



私自身この仕事をしていて感じることは、昔からの日本家屋の葺き替えがやはり一番多いのですが、次に多いのがセメント系屋根材の葺き替えです。日本瓦の葺き替えは施行の限界(瓦のズレ・谷部分の銅板劣化)により雨漏りが始まり、葺き替えを依頼されることになるのが多いですが、セメント瓦からの葺き替えは見た目が悪くなったということで葺き替えを依頼されます。このセメント系屋根材等は最低でも10年に一度は塗装を施していかないと、見た目が極端に悪くなったり素材自体も耐久性が悪くなったりしていくのです。施行10年足らずで葺き替えとなった事例もあります。



























これらはすべてセメント系屋根材です。一般的にセメント瓦と呼ばれていますが、その中身はいぶし瓦・陶器瓦とはまるで別物。機能が全く違います。ですが一見普通のいぶし瓦・陶器瓦と分からないこともあるかと思います。そんなときはいつでもお問い合わせにてご連絡ください。


写真はイメージです。

もう一つ酸アルカリ性対策として、忘れてはいけないのが鳥の汚物です!


鳥の汚物は酸性なのでそのまま屋根に付着したままにしておくと、浸透して酸化、腐食につながります。特に真夏など天気が続くとさらに腐食の侵攻を早めることになりかねません。


みなさん車などに鳥の汚物が付着すればすぐに取れますが、屋根となればなかなか・・・。瓦には他の屋根材と比べて、格別の耐久性がありますので耐久性の面から見ても是非瓦を選んでいただきたいと思います。